
もう1年以上前のことになると思いますが、やはり同じようにノラ猫を強奪しかけたことがあります。
「しかけた」というのは結局未遂に終わったんだけど…。
たまたま平日の夜、珍しく友達と飲みに行って、帰り際、とある閉店したお店を通りかかったら、入り口付近から仔猫の鳴き声が…。見回しても猫なんていなくて、でも声は響いて…。よ〜く目を凝らしたら、奥に片付けた看板の隅に、小さな仔猫がみぃみぃ鳴いていたのです。
店が既に暗くなってるのをいいことに看板をちょっとズラしたら、仔猫がとことこ歩いてきて、見上げるではありませんか! つい手を出したらそれにじゃれてきて、そのうち足元からよじ登ってきたのです。
側には他の猫はいません。みなしご? 誰かが紙皿にエサらしきものを置いてたけど、それももうぐちゃぐちゃになっている。仔猫はよじ登ったまま肩まで上がってきました。
これは…、運命の出会い!…と勝手に思い、連れて帰ることにしたのです。仔猫を肩に乗せたまま、ずんずん歩き出しました。実はその場所から家までは徒歩で10分以上あるのです。
猫って家に居着くというように、ちょっと懐いても連れて帰ろうとすると途中から「ハッ、これはどっかに連れてかれる?」と、するりと腕から抜け出して元の場所に戻っちゃうんだよね。ところがこの仔猫は肩に乗ったまま首元にすりすりして、そんな素振りを全然見せません。きっともう信頼しきってるんだな〜と、いそいそと歩みを早めたのですが…。
途中で、とあるカップルが向こうから歩いてきました。女はコギャルをちょっと大人にしたような感じ(おねえ風?)、男はパンチパーマでいかにも柄の悪そうな風体でした。女は携帯でしゃべりながら歩いてたのですが、こちらの猫を見つけるや否や、「あ、猫! やだ、チョーかわいい〜! 今、猫いるの!」と、話ながら近づいてきて猫をなでるのです(それもぶしつけだな〜とは思ったのですが、猫好きに悪い人はいないし…と思い、なんか褒められてる気持ちもあってそのまま触らせてあげてました。その仔猫はちょっとイヤがってたみたいだけど…)
「この猫、飼うんですか?」と訊いてくる女。その段階で冷静になって頭が真っ白になった自分。いくらかわいいからって、そう簡単に飼うことにしていいのか。仔猫なんだからきっと暴れまくって部屋の中なんかメチャクチャなんじゃないか? まだ週末までには日があるし、すぐ病院に連れて行けないし、なにより反対派の親が近々上京するって言ってたし…。
などと短い間にスーパーコンピューター並に考えてたら、女の方が「かわいい〜、欲しい〜」と、柄の悪い男に言うのです。そして男の方も「実は猫が飼いたくて今日もペットショップ見てきたんだけど、ちょうどいいのがいなくて…」と言うではないですか。
そうだよね、おっかなびっくり飼ってもちゃんと世話できるかどうか分からないし、それよりなら望まれて飼われた方がこの子にとってもいいはず…と、「じゃあ、ちゃんとかわいがって下さいね」と、渡してしまったのです。女が肩から猫を抱っこしようとしたら、すごくイヤがってブギーブギー鳴いたけど、心を鬼にしてさよならしてしまいました。
でも…、当然帰ってから後悔の嵐。あんな口からでまかせみたいな言葉を信じて渡してしまうなんて。あんな見るからにいい加減そうなバカップルが、マトモに世話できるわけないじゃない。友達にも「そんな男の言葉、ウソに決まってんじゃん!」と言われたけど、もう後の祭り。しばらくはペットロス並にくよくよしていました。
あれからそのカップルを何度か遠目に見かけたけど、あの時の仔猫についてはコワくて訊けない…。虐待なんかしてたらどうしよう…。せめて飽きてノラに戻してくれてたらいいんだけど…。
そんな過去があったから、みーすけと出会った時には絶対に離さないと誓ったのです。今、側でグルーミングしているみーすけを見ると、絶対に幸せにしなくちゃ!と思います。みーすけを見て親の心を知る夏の夜w(字余り)